2001年にNHKデジタル・スタジアムにて発表した公園の回転遊具グローブ・ジャングルを使った
インスタレーション『遊具の透視法』。昼間の子供たちの映像を遊具の回転による残像現象を
利用してプロジェクションします。番組での受賞の後、多くの人の協力を得てプロジェクトとして
各地の公園を巡回しました。さらにアルスエレクトロニカへの出品をきっかけに作品は海外へと渡り、
国境をこえて人々が子供たちの遊ぶ姿や「地球」という形を前に共感する瞬間を目の当たりに
しました。
2001年、当時はインターネットが伸び盛りの頃。世界各地に遊具を設置して、
地球の裏側とリアルタイムに交信することを夢のプランとして構想していました。
しかし10年経った今、いつの間にかネットワークを介してリアルタイムに世界各地と
通信することが日常となり、今は時を隔てた記憶の交流へと僕自身の興味の「重心」が
移動していることに気づきました。
先月、母校の小学生と授業を行ったときに、未来に向けて『遊具の透視法』の再スタートを提案しました。
幼い頃からの仲間や久しぶりに再会する地域の人たちが集い、世代をこえた交流の場となることを期待しています。
2011年8月15日午前中に町内でワークショップを開催し小学生と映像を撮影、夜に上映会を行いました。